スポーツ栄養士とは、スポーツ選手の栄養管理を専門に行う栄養士のことで、「公認スポーツ栄養士」という資格制度が設けられています。ここではスポーツ栄養士の仕事内容や、必要とされるスキルについて説明します。
管理栄養士のさらなるキャリアアップに、特定分野の専門性を高めた「特定管理栄養士」という認定資格があります。
そのうちのひとつである「公認スポーツ栄養士」は、公益社団法人日本栄養士会および公益財団法人日本スポーツ協会の共同認定による資格で、アスリートのパフォーマンスを食事や栄養の面から支えるスポーツ栄養分野の専門家です。登録者数は309名(2018年10月現在)とそれほど多くありませんが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に、これまで以上に注目が集まっています。
良いパフォーマンスをするためにはトレーニングのみならず、食事による身体作りも重要であるという認識は、日本代表のようなトップアスリートにはもちろん、ジュニアアスリートやアマチュアのスポーツ愛好家にも今や常識となっています。
公認スポーツ栄養士の仕事内容は、アスリートがベストコンディションを維持するための食事のメニューを作成したり、自己管理能力を高めるための栄養教育や食環境の整備を行ったり、体調管理に関する相談を受けたりします。
また、チームや団体に所属して働く際には、監督やコーチ、トレーナーのほか、医療や科学の専門スタッフ(スポーツドクターや、運動生理学、バイオメカニクス、スポーツ心理学などの専門家)と連携して、栄養面の専門指導を担います。
公認スポーツ栄養士が資格をいかせる場は、スポーツ団体やフィットネスクラブなど決して多いとは言えないものの、プロ・アマを問わずアスリートからのニーズは着実に高まっています。
競技を始めたばかりの幼児や小学生から、本格的なトレーニングを開始する中高生、さらに体力が低下し栄養サポートを求める高齢者など、公認スポーツ栄養士の指導を必要とする世代は広がりを見せています。
アスリート個人に専属栄養士として雇われて活躍するなど、フリーランスで仕事の場を獲得している公認スポーツ栄養士も少なくありません。
また個別指導だけではなく、選手やチーム、選手の家族やスポーツ愛好家などに全国各地で講習会やセミナーを行っている公認スポーツ栄養士もいます。
また、身体のコンディションと栄養についての専門知識はスポーツ以外の分野でも求められ、サプリメントの開発や、リハビリテーションの現場でも重宝されています。
そのため勤務先も、大学や民間の研究施設、病院、委託給食会社、各自治体の保健所や保健センターなど幅広くなっています。
公認スポーツ栄養士になるには、NPO法人日本スポーツ栄養学会が開催している「スポーツ栄養ベーシックコース講習会」と「公認スポーツ栄養士養成講習会」を受講し、検定試験に合格する必要があります。
「公認スポーツ栄養士養成講習会」の受講資格は、以下の通りです。
【資格取得の流れ】
「公認スポーツ栄養士養成講習会」の受講資格は5年間有効です。その間に検定試験に合格しないと受講資格が失効し、受講実績も抹消されるので気を付けましょう。
また、公認スポーツ栄養士の資格には4年の有効期限があり、期限が切れる6カ月前までに定められた講習会や学会に参加して必要な単位を取得、更新手続きをしなくてはいけません。
資格を保持するには、講習会や学会で常に一定の単位を取得し続けなくてはいけませんが、だからこそ最新の知識で指導ができる証しとしての信頼度が高い資格なのです。
公認スポーツ栄養士がその資格をいかして活躍するには、専門知識のほかにも必要な知識や技術、能力があります。
例えばチームに所属するアスリートをサポートする場合、そのスポーツについて熟知しておくことは当然重要です。その上でチームのコーチやトレーナー、ドクターなど、多くのスタッフと連携を取って選手のコンディションを正確に知らなくてはいけませんし、選手本人が体調について相談しやすい関係を保つことも大切です。
その他の場で働く際も、相手の身体作りの目的をよく知ることと、体調管理という個人的な相談をしやすいことはとても重要です。そのため、協調性やカウンセリング能力など、人としての信頼度の高さが、公認スポーツ栄養士として活躍するのに非常に大きなファクターとなってくるのです。
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